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エグゼクティブサーチとは何か?【日本人・シニアコンサルタントの座談会】

お役立ち情報

36年続く日系大手のエグゼクティブサーチファームとして実績を残してきたイーストウエストコンサルティング。年齢・性別・国籍など様々なバックグラウンドのコンサルタントが在籍しています。
その中で、独自のバックグラウンドや想いを持って活躍している日本人のシニアコンサルタントに集まってもらい、「エグゼクティブサーチ」とは何かについて、語っていただきました。

Consultant

  • 高畑晴義

    シニアコンサルタント
    日系エグゼクティブサーチファームでマネージャーとして企業戦略の中核となる人材のヘッドハンティングを多数実現した後イーストウエストコンサルティングに参画。 エグゼクティブ層や特定のスキルを持った人財のサーチ・スカウトに強みがある。

  • 山本竜也

    シニアコンサルタント
    20年近く一貫して人材業界に身を置き、幅広い業界・職種を担当してきた知見、コネクションが強み。 CxO・ボードメンバーポジション、事業開発やHRなどのコーポレート全般をフォローしており、フロントポジションも得意としている。

  • 田村圭

    シニアコンサルタント
    人材業界で15年超、採用支援をしている。 特に消費財・小売やエンタメ、コンシューマテックなど、toC周りの業界に広くネットワークを保有している。

【用語解説】
クライアント:採用企業、人材を採用する会社のことです。エグゼクティブサーチにおいては、一般には公開されない、コンフィデンシャルな案件を取り扱うこともあります。
キャンディデート:候補者、採用企業が求める人材のこと。一般的な「転職者」とは違い、転職を考えていない人も含めてスカウト・サーチを行うため、当社では「キャンディデート」と呼んでいます。

 

エグゼクティブサーチについて:

司会:本日はお集まり頂きありがとうございます。まず皆さんが生業としている「エグゼクティブサーチ」とはどういったものなのか、教えて頂けますか?

田村圭(以下、田村):エグゼクティブサーチとは何なのか、いわゆる人材紹介のサービスの一種ですが、顕在層以外のキャンディデートにもアプローチして声掛ける点が特徴としてあります。これはキャンディデートの話だけではなくて、クライアントも含めて両方です。顕在化しているポジションだけではなくて、私たちからも、クライアントの会話の中で提案していくケースが往々にしてあります。

山本竜也(以下、山本):クライアントの考えが求人票として顕在化していて、キャンディデートも何がしたいかはっきりしている場合ばかりではありません。クライアントへは事業を伸ばす為にはどのような人を採用すべきか、キャンディデートのキャリア形成の為にはどのような仕事を今すべきなのか提案させていただく事があリます。
そのように双方に働きかけを行い、必要な両社を引き合わせる事に私たちの介在価値があると考えています。

田村:具体的なサーチ方法はお伝えできませんが、様々なサーチ方法があり、人それぞれ違います。外部のデータベースも広く主流になる中で、それぞれのノウハウを駆使し、転職市場に存在しない、転職にアクティブではない人材へアプローチします。ヘッドハンターと言われるコンサルタントのネットワークや経験、実績が物を言う世界ですね。

高畑晴義(以下、高畑):エグゼクティブサーチと一般的な人材紹介の違いは、企業の中核となるポジションの人材を、顕在化した求職者のみならず潜在層も含め能動的にサーチ・スカウトし適任者をお引き合わせする事だと思っています。

CxOクラスのコンフィデンシャル案件を取り扱う

高畑:CxOポジション等のハイクラスでコンフィデンシャルな案件等のご依頼もエグゼクティブサーチの特徴の1つだと思います。CxOクラスの採用は、クライアントの社内でも限られたメンバーにのみ開示されている事が多く、その為、求人票を顕在化させる事はあまりありません。そのような案件は、私たちとクライアントの間の信頼関係の上に成り立ちます。

他社とのコンペでご提案・決定する場合もあります。その場合は、クライアントとしてはコミットしてくれそうなエグゼクティブサーチファームにお願いしたいと考えて選びます。
特に重要なポジションは複数のエグゼクティブサーチファームに依頼すると、情報が外部に漏れてしまうリスクも高まりますし、同じキャンディデートに色々な会社から連絡が行ってしまい混乱を招きます。よってクライアントは多くのファームに依頼したいというよりは、特定の信頼できるファームにのみ依頼します。
又、CxOの中で組織上無いポジションがある場合でも、成長する上で潜在的ニーズとして必要だと思う人材についてはこちらから提案もします。

山本:クライアントのビジネスの内容や今後の方向性を把握していないと、そもそも提案はできないですね。その為にもクライアントが属するマーケット環境には常に日々のコミュニケーションの中で情報のアップデートを図っています。クライアントから勘どころがいいな、分かっているなと思ってもらえるような知見を蓄える事が大切です。それが信頼関係に繋がりCxOクラスの案件も任せてもらえるようになります。
このサイクルを繰り返す事で「このような人材が今必要ではありませんか」という先回りをした提案も可能になります。

エグゼクティブクラスにおける転職

司会:実際に「エグゼクティブサーチです」と言ってコンタクトを取った場合、キャンディデート側は前向きに話を聞いてくれるものですか?

田村:この仕事を始めた当初は、今、特に仕事を探していない人に声をかけるので、動機付けが大変だなと思っていたんですが、分かってきたのは意外と皆さん、オープンマインドで機会があれば次を考えてもいいよ、というんですね。私たちは特に適切なタイミングで適切な機会を提供する、ということをいつも心がけています。
特にエグゼクティブ層の方が次のキャリアを探すときに、同じ業界や近い業界でのポジションは限られていて、ピンポイントになってしまう。探そうと思って簡単に探せるものではないので、転職活動をしていなくても情報があれば随時欲しいという人はいます。外資系だと特にその色は濃いですね。求職者サイトに登録していない人でも、興味があれば話を聞いてみたいという人は多いです。そういう意味で必要なビジネスだと思っています。キャリアを活かそうと思うと、タイミングが重要で、定期的にヘッドハンターとコミュニケーションを取ることで、自身に合う案件が出た時には真っ先に連絡が来るといった状態を作ることが、エグゼクティブクラスの転職においては大事になってきます。

山本:若い方の転職であれば、例えば営業で培った社交性を活かして他の業界や職種へチャレンジという事もあると思います。
一方でキャリアを持っている人ほど、培った経験をフルに活かして次の仕事にコンバートすることを考えます。この場合タイミングや求人は限られてくる傾向があります。

カルチャーフィットまで確認する

高畑:私たちの仕事は入社させることがゴールではなくて、入社後にご活躍頂く事が重要。経歴的にはばっちりだけど、カルチャーや価値観が合わない為にパフォーマンスが十分に発揮できない事もあります。例えばトップダウンでやっている企業と、ミドルアップでやっている企業があって、ミドルアップで活躍していた人がトップダウンの会社に行ったら、真逆で合わないなど。
アンマッチを防ぐ為にも単にスキルマッチングだけで判断せず、クライアントとキャンディデートを良く理解することはとても重要だと思っています。

山本:そうですね、会社によって優秀な人の定義は異なりますからね。縦割の組織だと指揮命令に対して着実に物事を進めていく調整・管理能力に長けていている人が優秀という傾向にありますが、組織体制がフラットな環境では自発的に物事を進めていく推進力が重宝されるといった事があります。
キャンディデートがこれまで積み重ねてきた経験によってそれら特性が醸成されていますので、まずはその特性を把握した上で、それを必要としている企業とのマッチングをしなくてはいけません。

高畑:キャンディデートも今後のキャリアビジョンをどのように描いているのか、その方の価値観はどのように考えているのか、それをヒアリングして理解しないと、入社後にアンマッチになってしまう。応募の意思が取れても紹介出来ない、この人の為にしてはいけないと思うこともありますね。成功するイメージが見えなくて動かない方が良いという人もいらっしゃいます。

クライアントを組織と人の両面から理解する

司会:どうやってそのような、会社を理解する力を身に付けてこられたんですか?

高畑:興味を持つ事と、とにかくクライアントとのコミュニケーション頻度を高める事ですかね。
クライアントのコンタクトパーソンは人事部門の方になる事が多いのですが、人事部門の方は勿論の事、サーチをする前に配属予定先のマネージャーと面談をさせて頂いたり、候補者との面接に同席させて頂いたり、他部署の方との接点も持つようにしていますね。

田村:同じ業界を長く担当することで、その業界に対する知見は深まってきます。同業界の人と多く話す中で、同業他社の事例から、このポジションにはこういったバックグラウンドの方がフィットするとか、こんな人を採用して上手くいっているらしいとか、情報の積み上げが出来てくる。

山本:とにかく色々な情報に数多く触れる事が重要。この会社ではこんな人が働いているのかといった情報収集を繰り返すうちに、業界やサービス内容、事業規模や事業フェーズ毎に活躍している人材のノウハウが蓄積されていく。それによって的を得たサーチの感覚が身に付くと考えています。またクライアントとキャンディデートの両面を見ている事は大きいと思います。片方だけしか触れていないと表面的な数字や文字面だけでマッチングしてしまうリスクがあります。キャンディデートの経歴の変遷を理解すること、クライアントの歴史や現状を理解すること、それがないままにマッチングを図っても中身が薄くなってしまうと思います。

高畑:それと、そういった手法では企業側の担当も、企業理解はできるが、「つまりこういう人だよね」と具体的なキャンディデートの提案ができない。片手落ち感がでてしまう。会社の外側にどういう人がいて、どういった人がフィットするのか、具体的に理解する必要がありますね。

エグゼクティブサーチとヘッドハンティングの違い

司会:転職活動している方にとって、「ヘッドハンティング」という言葉は聞き馴染み深いかと思いますが、一方で「エグゼクティブサーチ」は聞いたことが無いという方もいらっしゃると思います。それぞれ、どういった違いがありますか?

高畑:明確に定義分けされているわけではないと思いますが、ヘッドハンティングは「引き抜き」という印象が強いと思います。
とりわけヘッドハンティングは、クライアント側が採用したい人材のターゲットを持っていて、ヘッドハンターがクライアントの代理人として、人材ひとりひとりに声を掛けていくというイメージですがエグゼクティブサーチはそれに加えてもう少し包括的で、クライアントから人材要件をヒアリングして我々が独自にサーチしてスカウトをしていくということも含めた、能動的なサーチ全般を指す、というところかなと思います。

山本:ここ最近、エグゼクティブサーチという言葉が浸透しているようにも感じますね。

信頼関係を得るために

司会:エグゼクティブサーチの仕事において大事にされていることはなんでしょうか?

田村:独りよがりにならないこと、考えながらやって行かなければいけないと思っています。私自身がビジネスを動かす訳では無いですし、主役は常にお客様、クライアントでありキャンディデートなので。企業への理解も必要で、何時も情報をアップデートして行かないといけないなと思っています。今までクライアント企業を見て来て、こういう人が合うと思っていた事も、5年前まではそれが常識だった事も、今は幾分変わって来ているってことは結構あるんです。継続的に多くの人に会ってアップデートして行かないと分からない。つまり何時の時代も主役は私じゃなくてお客様。自分が主役になることは無いので。

高畑:私も田村さんの考え方と同じで、情報をアップデートしていくことで、クライアントにとってもキャンディデートにとっても、期待以上の成果を出すことが出来る。結果、「三方よし」の状態になるかなと思います。決して強引にやってはいけないですし、こちら側の都合だけ、キャンディデートの都合だけ、クライアントの都合だけ、という状態は避けなくてはなりませんね。誰も幸せになりませんから。

山本:僕も同じで、情報のアップデートは常にしていかないといけないですね。あとは、初心を忘れない事。仕事に慣れてきてしまうと一括りで見てしまう事があります。例えばA社の営業職の方を同じようなキャンディデートとして見てしまうような事、これは避けなくてはいけないと思います。この仕事で重要なことは「個で見ること」。人は皆それぞれに違うし、会社も同業界・同サービスなどの区分けがあってもそれぞれに違います。それを「製造業」「営業職」のような括りで見てしまうと、それぞれを正しく理解した適切なマッチングは図れなくなってしまいます。当たり前の事ではありますが慣れによって大切な『個』を見なくなってしまわないよう常に自分に言い聞かせています

田村:仕事をする上で、人を肩書きで見てしまったり、この会社のこの部署の人は大体こんな感じの人だろうな、と何となく決めつけてしまったりしそうですが実際は濃淡がありますから。特に年収が一つのバラメーターで年収が高いから優秀と思ってしまうこともありますよね。最終的にはその人のことを、ちゃんと見ないといけないという思いで、仕事に慣れすぎない事。それが相手にはちゃんと向き合ってもらえてないという印象を持たれてしまう。慣れて来ると良く陥りがちな問題でもあるんです。

イーストウエストコンサルティングは日系の中でも老舗のエグゼクティブサーチ

田村:言葉で表せば、老舗、草分け的存在、グローバルといったキーワードですね。

高畑:日系エグゼクティブサーチの会社では一番歴史が古いと思います。そこに裏打ちされたデータベースとノウハウがある点ですね。イーストウエストがサービスを始めた当時は、日系企業はまだまだ終身雇用の時代でした。そんな中、外資系企業がどんどん入ってきたので、、ビジネスチャンスになるなと思ったのが始まりなので、最初はグローバルから始まっている。日系は中途を取っても補充のみで飛躍が出来ず年功序列の中に組み込まれていました。

田村:昨今は日系企業が中途採用でマネジメント層を採用するのも当たり前になってきました。
当社がビジネスをスタートした時代はそうでは無かったので、以前は結果的にクライアントは外資系が中心になっていましたが、近年は日系企業のお客様も増えていますね。

司会:信頼関係、提案、実績による会社の知名度は高い。基本的に信頼ベースにそういった求人企業からの問い合わせは多いということですね。


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