エグゼクティブサーチとは何か?【外国人・ディレクターの座談会】
36年続く日系大手のエグゼクティブサーチファームとして実績を残してきたイーストウエストコンサルティング。年齢・性別・国籍など様々なバックグラウンドのコンサルタントが在籍しています。
その中で、独自のバックグラウンドや想いを持って活躍している外国人のディレクターに集まってもらい、「エグゼクティブサーチ」とは何かについて、語っていただきました。
[目次]
エグゼクティブサーチについて
クライアント側のエグゼクティブサーチの位置づけ
エグゼクティブサーチに関するよくある疑問
コンサルタントとして成功するための秘訣
イーストウエストコンサルティングの特徴
エグゼクティブサーチについて
司会:それでは、まず始めにエグゼクティブサーチとは何かについて教えて下さい。
アレクセイ:エグゼクティブサーチとはクライアントのビジネスにおいてキーパーソンとなるようなスペックの高い人材を探して紹介するという事でしょうか。
先ずクライアントのニーズを理解するためには、ある程度、業界の流れやトレンドなどを知る必要があるので業界の動きやニュースをずっと追って行っています。
又、私はIT業界を担当しているのですが、エンジニアではなくともエンジニアと同等のレベルで話すことができ、理解でき、評価できることをクライアントに期待されます。つまり、コンサルタント自身が専門用語や業務知識を持って、エンジニアのキャンディデートと話し、その人がどのような業務でどのようなスキルを持っているかを、エンジニアの考え方や視点で分かり、またクライアントにとってはどのようにその業務やスキルを活かせるか、評価できる必要があります。それは大変なように見えますが、経験を積んで知識を蓄えることで出来るようになります。キャンディデートもどこから探すか、見つけるのかというサーチ能力と判断が大切です。
ブランドン:特徴としては2点ほどあります。
1つ目は業界によってやり方が違う場合もあるのでコンサルタント一人一人が業界にあった自分なりのセンスを磨いています。
もう1つは、目先の事では無く先の事を考えて行動する事ですね。常に3ヶ月後、1年後、3年後を見据えて役に立つかどうかを考えています。
クライアントのニーズや、業界の流れを見た時に紹介した人たちが2年後、3年後にどのように役に立っているのか等考えますね。
パベウ:マーケットは2~3年毎に変化して行きます。昨今で言えばテレワークが始まったり、デジタル化が進んだりと色々な変化がありましたよね。私は17年間やっていますが、同じクライアントでも、時代や状況によって人材の内容は違ってきますので常にそれに対応していく必要があります。
クライアント側のエグゼクティブサーチの位置づけ
司会:それでは、クライアントにとってのエグゼクティブサーチの特徴や良い使い方とはどのようなものでしょうか?
アレクセイ:従業員数が何万人もいる大手企業では人事部にも多くの採用担当を抱えています。それでも採用は難しく、とても忙しくしています。そんな彼らにとって私たちのようなエグゼクティブサーチ会社は的確な人材を紹介してくれ、面接や評価の手間を減らしてくれる、とても重宝する存在なんです。勿論、実績のある所でないとダメですけれどね。
ブランドン:一言で言うと、エグゼクティブサーチはquality(質)、一般人材紹介はquantity(量)で勝負ですかね。
司会:お聞きするだけでも難易度が高そうですがエグゼクティブサーチでは転職を考えてない人材を見つけて紹介するという事もありますか?
アレクセイ:そうですね。転職を考えていない人もターゲットですね。そういう人たちでもコンタクトをしてポジションの説明をすると興味を持ってくれます。それで紹介して決まったケースも数多くありますね。
ブランドン:そうですね。又、ネットワークで紹介の輪が広がることもありますね。私たちは多くの方とネットワークで繋がっているので、そこから更に輪が広がり多くの人との出会いがあります。
パベウ:エグゼクティブサーチでは、年収2,000万、3,000万以上の案件を扱う事が多いでので、特にそのレベルになると仕事を探しているキャンディデートは少ない。私達がそういった人たちが何処にいるかを知らなくてはならないんです。
そして見つけたら双方を結び付けて行く。そういったスキルや知識をつける必要があるのでコンサルタントは日々切磋琢磨して経験を積みます。
エグゼクティブサーチに関するよくある疑問
司会:なるほど、転職を考えていない人材をスカウトするために知識と経験を養っていると。
キャンディデートにとっては、エグゼクティブサーチをどのように捉えていると思いますか?
アレクセイ:そうですね、2つくらい例を上げましょう。
1つ目は、クライアントの求めるスペックに合う人をスカウトした時にキャンディデートから「私はまだ平社員ですよ。エグゼクティブサーチには合いません」と言われたことがあります。エグゼクティブサーチというので位の高いポジションのみと思われがちですが、時にはクライアントからエクスクルーシブ(専任)案件を任されて特別なスキルを持ったエキスパートをスカウトする場合があります。その際にも当社のようなエグゼクティブサーチ会社が利用されます。
2つ目は、スカウトをする際に、「私には複数のスカウト案件が来ていて、それらにはジョブディスクリプション(求人内容)が付いています。先ずはジョブディスクリプションを送って頂けますか?興味があればご連絡します」という返事です。
しかし、それでは良い転職は出来ません。転職には色んな要素があり、それらを丁寧にチェックする必要があります。表面的なジョブディスクリプションだけで決めるのはとても危険なのです。
検証しなくてはいけないのは、そのポジションで将来のキャリア構成が出来るか、その会社の組織や働いている人の特徴はどうか等、様々な情報を精査していかないといけないのです。
よってジョブディスクリプションだけで全てを図る事は出来ないのです。
当社のコンサルタントは一人一人の人材に会って仕事の状況や家族のことも含めたキャリア相談をします。なのでキャンディデートにとっても、こうして専門家を頼ることが必要だと思いますね。
それと企業も直接キャンディデートをスカウトしようとする傾向があります。
でもそれをプロ並みに上手く出来る会社は少ないです。一何故ならばキャンディデートは転職を考える際に、複数の選択肢を持ちたいんです。他のオファー条件や他の会社の人事マネージャーとも直接会って話を聞きたいなど。色々な角度から自身のキャリアを決めたいんです。そんな訳でキャンディデートの方からも私たちに交渉を依頼してくることが往々にしてあります。
司会:そうですか、そういった状況ですとクライアントとキャンディデート、それぞれの希望条件がすぐに合わないケースもあるのですね。そういう場合は双方に対してどのように関係を構築されているのですか?
ブランドン:ご紹介した人材が、クライアント企業に長く定着し、その成長に大きく貢献してくれることを願っています。
キャンディデートをクライアントに紹介する際、クライアントが将来のリーダーを探していることを承知の上で紹介します。 同時に、キャンディデートは自分が最も幸せになれる会社を探しています。ですから、ハードルは常に高いのです。
アレクセイ:私もどちらかに偏ることは無いですね。
キャンディデートとクライアントには私たちを信頼して頂くように今までの実績を伝え安心してもらいます。クライアントの人事マネージャーの人たちも私が紹介してよく知っていますしね(笑)。
キャンディデートにとっても心強いと思います。
又、キャンディデートの立場に立ってクライアントへ話すこともあります。キャンディデートもオファーを受けただけでは分からない事が多々あり、迷いますのでクライアントにとっても必要ですね。
パベウ:キャンディデートにもクライアントにも、フィードバックが来たらタイムリーに伝える事ですね。双方を不安にさせないことが大事です、
コンサルタントとして成功するための秘訣
司会:エグゼクティブサーチで成功するコンサルタントの特徴はありますか?
アレクセイ:まず、感情的にならない事ですね。エグゼクティブサーチは失敗と成功の繰り返しです。特に人を扱う仕事ですので暗い気分でいたら相手にも伝わってしまいます。どんな仕事もそうですが、どんな状況におかれても冷静に対応できるプロとしての姿勢が大事ですね。
パベウ:後、どの仕事でもそうですが持続的に努力できる人なら成功できますね!
アレクセイ:又、日本と海外のマーケットでは大きな違いがあります。海外では多くの人が躊躇なく話を聞きにきますが、日本では未だ未だ転職は欧米に比べ少ないです。よってキャンディデートへの対応は丁寧に信頼関係を築くことから始める必要がありますね。どんなに良いポジションでも皆さん、すごく慎重です。
ブランドン:日本でのリクルーティングで注意しなければならないのは、上下関係の文化です。時には年上のキャンディデートが年下のコンサルタントのアドバイスを受けることをためらうことがあり、またその逆もあるかもしれません。しかし、優秀な医者や弁護士のように、本当に自分のことをよく知っていれば、年齢は関係ありません。優れたコンサルタントは、どのようなレベルのキャンディデートからも信頼を得ることができるのです。
イーストウエストコンサルティングについて
司会:最後に、イーストウエストコンサルティングについても教えて下さい。長年いらっしゃる皆さんが知っている、会社の特徴やこれまでの変遷、現在について。
アレクセイ:当社が長期に渡って存続出来ているのは良きDNAがあるという事が1つの要因かなと思います。時を経てもクライアントやキャンディデートへの対応が変わらない。新しい人が入ってきても環境がそうなので同じように出来るようになるんですね。
ブランドン:当社は日本人と外国人のバランスも良いですからね。
会社の中も自由な環境で、ファンダメンタルズさえ踏まえていれば自分のやり方で出来て、自分なりのセンスを磨ける環境がある。又、時代の移り変わりによって会社も変化をしてきているし変化出来る土壌がある。それも当社の特徴かなと思います。
パベウ:また、市場が時代とともに変化しても、経営理念やビジョンは変わることはなかった。
だからみんな安心して長く働けるし、みんな仲がいい。
アレクセイ:ここにはやれば皆んなが成功出来るチャンスがあります。
だから10年とか20年と辞めないで長く続いているコンサルタントが多くいます。
パベウ:そうですね!色んな人たち、国籍やジェンダーを問わずチャレンジできる会社です。
ブランドン:イーストウエストは、このビジネスに情熱を持っている人にとっては最高の職場です。 私たちの多くは、キャンディデートとクライアントの成功を支援することに興奮して毎朝、起きていると思います。オフィスはとてもポジティブな雰囲気です。
パベウ:最近、経験のある人たちや若い人たちも多く入ってきていますしね。
アレクセイ:離職率は他社に比べて低いと思います。
ブランドン:アレクセイの言う通りです。イーストウエストではコンサルタントの定着率が高いのでクライアントもそれを高く評価していると思います。私は20年以上、同じキャンディデートやクライアントと仕事をしていますが、彼らが私を必要とするとき、イーストウエストのブランドンとして背中を押してくれていることを知っています。
司会:本当に、10年も20年もいらっしゃる方が多くいるというのが、人材業界では大変珍しい環境だなと思いますね。
ブランドン:どんなビジネスでもそうですが、馴染みになることが一番です。 ですから、私たちは信頼を得るために非常に注意深く仕事をしています。
パベウ:そう、私たちはどれだけ長く働いてお付き合いをしていても、クライアントやキャンディデートとのリレーションシップは壊さないよう何時も心がけています。
司会:良く分かりました。ご説明頂き有難うございました。より多くの人に伝えられればと思います。本日はお時間を有難うございました。
記事を閲覧頂きありがとうございます。
お陰様で多数お問い合わせいただいております。
ご対応に関しては、コンサルタントの案件の状況にもよるところもございますが、まずはお問い合わせ頂けますと幸いでございます。