[2024]コンサルティング業界のレポート
コンサルティング業界のトレンド
コンサルティング業界は戦略系、総合系、シンクタンク系、中小企業向け、M&A系などに分けられます。
MBB、BIG4と呼ばれる外資系コンサルティングファームは、コンサルティングビジネスが始まった1920年頃から台頭し、日本では、90年代頃にBPRのコンサルティングから始まりました。そして現在のDXコンサルティングを中心とする”コンサルバブル”の現状が起きています。
ヘッドハンティングの起源の記事でも、コンサルティングファームの成り立ちは説明しています。
ITコンサルティングの活況
コロナ禍のリモートワークやオンラインミーティングの活性化などにより、企業は従来の出社・訪問スタイルの運用からの変革を求められました。社内のネットワークやデータベース、システムなどの移行やクラウド化等、専門的な知識を求める業務に関してはコンサルティングファームへ依頼するようになっています。
日本のコンサルティング業界全体の売上高は2021年に1.5兆円に到達し、2025年には3兆円規模まで成長する見込みです。専門的な業種や職種が増える中で、どの業界でも外部の専門家との連携が欠かせないでしょう。
また企業毎でも経営課題は異なるため、その課題を理解した上でどういったIT戦略やグランドデザインを描くかに、ITコンサルタントとしての力量が問われます。
コンサルティング業界では業界(インダストリー)と、機能(ソリューション、コンピテンシーなど)ごとに部門が分かれるケースが多いようです。DXやAI・データ活用などテクノロジーに関連する案件の引き合いが旺盛であることから、中途採用が依然として活況です。昨年までは未経験者採用やポテンシャルを考慮した採用が目立ちましたが、昨今では即戦力で貢献できる経験者やミドル層の人材を採用する傾向が強まっています。
転職動向、採用動向
ITコンサルティング
上記のようなITコンサルタントへの需要の増加により、ITコンサルタントは未経験からマネージャークラス、パートナークラスまで、求人が増えています。各社デジタルに特化した関連会社を作り、その会社を牽引できるような初期の人材を募集することもあります。
レガシーシステムを持つことは技術的な負債を持つことだと言われます。デジタル化による競争優位性の差は更に拡大していく中で、ITコンサルタントはITを活用した業務改善やシステム導入のアドバイスを提供します。デジタルトランスフォーメーション(DX)の波が高まる中、ITの専門知識を持つコンサルタントの需要は今後も増加するでしょう。
また、ITコンサルタントが提供するソリューションは、企業のビジネス成長や効率化に大きく貢献するため、その需要と影響力は今後も拡大すると予想されます。クライアントもCIOやCDO等の変革リーダーから、組織変革の実現を求めてコンサルティングファームに依頼します。ITとデータによるトランスフォーメーションの具体的な計画とインプリメンテーションプランを描けることを見据えてキャリア形成することが重要です。
まずはSEとして要件定義~運用まで一貫したPJ経験があることが望ましいでしょう。CIO等のポジションまでになると、IT戦略策定/DX構想立案、予算化、RDP作成、業者(チーム)調達、プロジェクト立ち上げ、IT化推進まで求められます。クライアントのCEOやCFO、CMO等のビジネスリーダーも想定して、経営課題としていかにシステムやテクノロジーを導入していくかが、キーになってくるでしょう。
戦略コンサルティングファーム
戦略コンサルティングファームM&A、DX、新規事業開発、海外進出等の全社的な視点で企業の経営戦略を策定する役割を果たします。ケース面接をはじめとする選考対策が必須であり、依然としてコンサルタント職の中でも人気が高いです。
テーマも多岐に渡るため、データサイエンティストやエンジニア、士業の専門家と連携できるようなビジネスの素地が求められます。具体的なケースや事例は各社のホームページを見ることで、公開のプロジェクトは閲覧することができます。
コンサルタント未経験の方でも募集していることもありますが、前職での経験や地頭の良さなど、総合的に判断されます。
市場の競争が激化し、ビジネス環境が複雑化する中で、企業が持続的な成長を達成するためには、戦略コンサルタントによるアドバイスが必要となります。そのため、戦略コンサルタントの役割と影響力は今後も増大すると予想されます。
人事コンサルティング
人事コンサルタントは、組織の人事戦略や人材開発に関するアドバイスを提供します。人材の確保と育成は、企業が持続的な競争優位を獲得するために不可欠な要素であり、その役割はますます重要となっています。特に、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の興味関心の高まりやリモートワークの普及により、人事戦略の見直しが求められる今日、人事コンサルタントの役割は重要度を増しています。
人的資本経営コンサルティングも見逃せないテーマです。人材版伊藤レポートを皮切りに、各社の対応状況が求められます。人的資本経営の診断から策定、施策の立案まで、ステークホルダーを巻き込んだコンサルテーションを行っています。
事業会社でこのような領域に携わってきた経験があり、事業サイドからの推進における負を感じられた方が、人事コンサルタントとして特定の業界を支援することもあります。
コンサルティング業界からの転職
他ファームへの転職
コンサルティング業界は同業への転職も多くあります。
色々な理由がありますが、多くはポジションアップや年収アップ、専門領域の変更、働き方やライフワークの変化等です。
特に最近は、成長分野であるサステナビリティ系の案件が多いファームへの転職も増加しています。
サステナビリティコンサルタントについての記事も是非合わせてご確認下さい。
ポストコンサル
高いスキルや課題解決能力を身につけることができるため、コンサルティング業界を経験するとキャリアの選択肢は増えます。コンサルティングファームでは職位に応じて、分析力、資料作成などの仕事術など世のビジネスマンが必要とされる基礎能力を正しく身につけることができ、多くの業界に応用することができると考えられます。それゆえ、自身にとって魅力的なチャンスが他業界あれば、望み通りのキャリアに進める可能性が高まるのです。
最近では、ベンチャーやIT業界へのキャリアチェンジが目立っています。これらの業界では、コンサルタントが持つ戦略立案や問題解決のスキルが直接的に活かされ、大きなインパクトを生むことが可能です。
キャリアアップや、よりフレキシブルな働き方など、より働きやすい環境を求める方も多いでしょう。コンサルティングファームでマネージャーやシニアマネージャークラスまでになったが、生涯コンサルティングファームで働くイメージがない場合に、転職をイメージする方もいるようです。
エグゼクティブサーチ会社の利用について
当社(イーストウエストコンサルティング)のような、エグゼクティブサーチの会社を利用する意義は何でしょうか。
昨今、人材データベースのみを利用した人材エージェントやダイレクトソーシングが急増しています。一方で、そのようなデータベース上には情報収集のみで、実際の転職には自分自身のネットワークを使う方もいます。特に長年経験があるマネージャー、パートナークラスの転職・採用においては、その傾向が強いです。
そういったネットワークにアプローチする手段の一つとして、エグゼクティブサーチ会社があります。
クライアントとの要件定義のすり合わせ、専門性の高い領域に関する知見、ハイレベルな条件交渉、入社後のアフターフォロー等、様々な点で、通常の人材エージェントでは対応できないこともあるでしょう。私達はプロフェッショナル集団として、エグゼクティブサーチを行っています。
コンサルタントに求められる能力、向いている人物像
論理的思考能力
経営課題という複雑な問題を分析し、効果的な解決策を見出し、それをクライアントへ提案・説得する力が必要です。
何が課題か見極めるために、仮説立てと検証を繰り返し行い、因果関係を説明できる論理的思考能力が必要とされます。
専門性と知識
I字のキャリアとT字キャリアの考え方があります。I字キャリアは深い専門知識や技術を持つことによって、高いレベルの成果を出すことが期待されるキャリアです。T字キャリアは広範な知識と1つ以上の専門分野における深い知識の組み合わせを持つキャリアパスを表します。広範な知識を持つことで、多様なチームやプロジェクトで橋渡し役としても機能し、活躍の幅が広がります。
コンサルタントは1人で完結する仕事ではなく、各種専門家と業務に関わる機会があるため、ステークホルダーの専門性に理解があるとスムーズに仕事を進めることができます。日々、関わる専門家が使う言葉や入門書等を広く読み、自分自身の専門性とどうリンクするかを考える習慣が重要です。
クライアントのために働くことのやりがいを感じられる人
意外に重要とされるのが、「クライアントのために働くことができるかどうか」です。自分のやり方をただ押し通すだけではなく、クライアントの経営課題に紐づく個々人の負を理解し、寄り添って相手が納得できる解決策を提示することが必要になります。クライアントの意向を汲み取ってサポートすることよりも、自分の立てた仮説検証を優先して進めると、クライアントから反感を買うケースもあります。相手の立場や状況を理解して、相手にとっての”最適な”提案をすることへの探究心があると、よりコンサルティングの仕事にやりがいを感じることが出来るでしょう。
おわりに
記事を閲覧頂きありがとうございます。
お陰様で転職相談、採用相談それぞれ、多数お問い合わせいただいております。
ご対応に関しては、コンサルタントの案件の状況にもよるところもございますが、まずはお問い合わせ頂けますと幸いでございます。